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小作権(こさくけん)

小作料を支払って他人の土地を耕作する権利。民法上,物権である永小作権と債権である賃借権とにわかれる。大部分は後者であった。第1次大戦後小作争議が急増するにともない,1920年(大正9)農商務省内に設置された小作制度調査委員会は第三者に対抗できる小作権を付与する小作法を制定しようとしたが,慎重論が強く実現しなかった。しかしそれに代わる小作調停法の実施過程において行政介入による小作権保護が進み,ついに戦時立法としての38年(昭和13)の農地調整法に小作権をもりこむことに成功した。農地改革後の農地法はさらに小作権を強化した。なお売買の慣行のある小作権は「慣行小作権」とよばれ,慣行上永小作権と賃借小作権の中間に位置する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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