小作(こさく)
地主から土地を借り,一定の小作料を支払って耕作する農業経営のこと。このような農業経営は奈良・平安時代からみられるが,小作という言葉が一般化し,地主・小作関係が広範に展開するのは江戸中期以降である。その形態は時代・地域によって名田小作・質地小作・永小作・別小作などさまざまである。一般に小作人は高額の小作料(田の場合は物納)を支払い,地主への隷属関係も強い。明治初年の地租改正は土地所有を法認することで地主・小作関係を一層強化することになった。第1次大戦頃から小作組合・農民組合を結成し,小作争議によって地位向上を要求するようになった。第2次大戦後の農地改革で小作人の多くは自作農化した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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