1. 用語
  2. 日本史 -こ-
  3. 古語拾遺(こごしゅうい)

古語拾遺(こごしゅうい)

斎部広成(いんべのひろなり)が807年(大同2)に著した歴史書。斎部氏は中臣氏と並び古くから朝廷の祭祀を管掌してきたが,大化の改新以降,中臣氏からでた藤原氏が政界で有力になるにしたがい,神祇関係の要職は中臣氏が独占するようになった。広成はこのような状態を嘆き,806年に幣帛使(へいはくし)の任命を中臣氏と争ったのを機に,斎部氏の立場からの史書を編み,平城天皇に献上した。神代から文武朝までの記事とそれ以降の補足的記述からなり,「日本書紀」「古事記」に漏れた伝承が少なくなく,日本の神話や古代史研究上の重要史料である。「群書類従」「岩波文庫」所収。ドイツ語訳や英語訳もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう