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国府(こくふ)

律令制下の諸国の役所,またその所在地。国衙(こくが)・国庁の語との異同には諸説あるが,国府を条坊をもつ小型の都城的都市とみる従来の見解は,発掘調査などにより疑問視されている。役所としての国府は,多くの場合コの字形の建物配置をとる政庁を中心に,さまざまな官衙・倉庫・工房,国司の居館である館などから構成され,国内の比較的都に近い場所の立地が多く,官道にそって建設され,国府湊や国府津を付属させた。このような国府は,現在までの発掘成果では8世紀初頭頃に成立し,中心の政庁は大部分が10世紀には廃絶。また古辞書類などから,平安時代における国府の移転が想定される国もかなりある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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