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国造本紀(こくぞうほんぎ)

全国135の国造(国司や重複を含む)について,それぞれの設置時期や被任命者を列記したもの。「先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)」巻10として残る。「古事記」「日本書紀」にみえる国造で掲載されていないものも2~3あるが,国造名を網羅したものとして貴重で,記紀など他書にみられない所伝もあり,国名表記に古い用字もある。823年(弘仁14)の加賀国分立を記し,最終的な成立は平安初期か。成立経緯は,「先代旧事本紀」編纂時に古文献を斟酌して作成したとする説,6世紀中葉~7世紀前半にその当時実在した国造を記録した原資料が存し,702年(大宝2)に作成された「国造記(こくぞうき)」をその公的記録とみなす説などがある。国造研究の重要な史料であるが,内容には十分な考証が必要となる。「国史大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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