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国訴(こくそ)

「くにそ」とも。江戸後期,摂津・河内・和泉国などで,大坂の特権的商人らによる菜種・綿・肥料などの流通独占に反対して,生産にかかわる数百カ村が自由な売買などを要求しておこした合法的な訴願闘争。国訴年表によれば88件ある。なお,国訴を合法的な広域訴願闘争として把握すれば,関東の肥料購入をめぐる訴願闘争も含まれる。1823年(文政6)大坂三所綿問屋の市場独占をめぐる摂津・河内両国1007カ村の訴願闘争が有名。支配領域をこえて村々が結びつくのは在郷商人の指導とする説に対し,「郡中議定」をとり結ぶような村々の動きを基礎にとらえる説もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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