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国学(こくがく)

古代の地方行政区画である国におかれた学校。令制では国ごとに,国内または近隣の国から任用される国博士(くにはかせ)・国医師各1人をおき,その指導をうける学生(がくしょう)を大・上・中・下国それぞれ50・40・30・20人,医生を10・8・6・4人と定め,国学生はおもに郡司の子弟から採用した。しかし実施はむずかしく,まもなく教官は中央から派遣されるようになり,723~779年(養老7~宝亀10)に国博士は数カ国に1人であった。また五畿内の国学は797~821年(延暦16~弘仁12)の間廃止された。国学における教育の実態や,9世紀以後,正規の任命によらない非業博士(ひぎょうはかせ)や公廨稲(くげとう)の配分をうけるだけの遥任博士・権博士(ごんのはかせ)などの任用によって国博士の制度が弛緩し,国学が衰退していく過程については不明な点が多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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