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古義学(こぎがく)

江戸前・中期に伊藤仁斎(じんさい)が唱え,同東涯(とうがい)らが継承した儒学。「論語」「孟子」を正統性の基準とし,孔子・孟子の原意(古義)に即した儒教の再構築をめざした。程朱学の重んじた「大学」「中庸」を史料批判し,体用一源などの観念を仏老的として排する。天理・本然の性(ほんぜんのせい)からなる宋学的天人相関論も批判。また歴史的事実の集積として六経をとらえ,その理解には論孟の学習による義理の習得が必要とされた。背後には3代聖人と孔子の非連続観がある。徂徠(そらい)学など新思潮の発生を促した意義は大きい。四書注釈に集中した仁斎に対し,東涯らは中国語学研究や制度・儒学説の歴史的研究に新生面を開いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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