後漢書(ごかんじょ)
後漢(25~220)のことを記した中国の正史。皇帝の事績を扱う本紀10巻,個人の事績を扱う列伝80巻と,律暦・礼儀・祭祀などを扱う志30巻の計120巻からなる。范曄(はんよう)が「東観漢紀」をもとに本紀・列伝・志を撰したが,未完で獄死した。6世紀前期の官吏劉昭が,その本紀・列伝に,3世紀の司馬彪の撰した「続漢書」紀・志・伝80巻から志を抜いて加え現在のかたちにした。「史記」「漢書」と並び称された「東観漢紀」の内容をいまに伝える。東夷伝倭人条に光武帝が倭の奴国(なこく)の使者に金印を授与した記述がある(57年)。この印は,1784年(天明4)に福岡県の志賀島で発見された漢委奴国王印とみられる。中華書局刊。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう