天皇や皇族など貴人の発願によりたてられた寺院。古代の大寺や定額(じょうがく)寺に由来し,四円寺や六勝寺が代表例。勅令によって建立・指定された寺院を,とくに勅願寺・勅願所という。はじめ官寺的・公的性格が強かったが,貴族の氏寺の増加に対応して平安後期から天皇家の私寺的色彩を強め,鎮護国家よりも願主の個人的な祈願にこたえることに主眼をおく。その所領も,長講堂領のように事実上の皇室領と化した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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