鴻臚館(こうろかん)
古代の外国使節の迎接施設。名称は中国で外交をつかさどった鴻臚寺に由来。平安京と大宰府(博多津)に設けられ,前者は810年(弘仁元)初見,玄蕃寮に管理され,7条に朱雀大路をはさんで2町四方の東西館があったが,10世紀半ばには荒廃。後者はかつて筑紫館とよばれたもので,名称の初見は837年(承和4),11世紀末まで存続し,福岡市の平和台球場付近から遺構が検出された。本来は唐・新羅(しらぎ)・渤海(ぼっかい)など外国使客の迎接用だったが,のちに商人の応接機関となる。なお難波にも類似の施設があったという。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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