1. 用語
  2. 日本史 -こ-
  3. 高野切(こうやぎれ)

高野切(こうやぎれ)

「古今集」で現存する最古の巻子本。写本。「古今集」は序文を含めて21巻あるが,高野切は巻1・2・3・5・8・9・18・19・20の9巻のみ。このうち,巻5・8・20の3巻が完本。巻9の巻首の切が高野山に伝来したためこの名があり,巻子本を含めてすべて高野切という。書風で分類すると3人の寄合書で,3種に区別される。第1種は,巻1・9の断簡と完本の巻20。端正で貴族的な美しい連綿が特徴。第2種は,巻第2・3の断簡と完本の巻5・8。側筆で強い筆力があり個性的。第3種は,巻18の断簡と巻19の零本・断簡。平明でのびのびした線が特徴。筆者はすべて紀貫之(きのつらゆき)と伝えられるが確定されていない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう