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工部省(こうぶしょう)

1870年(明治3)に設置され,洋式産業の移植にあたった官庁。旧幕府や諸藩の洋式工場・鉱山を引き継ぎ,また種々の新規事業をおこした。71年には工学・勧工・鉱山・鉄道・土木・灯台・造船・電信・製鉄・製作の10寮と測量司を管轄。工部大学校での技術者養成,洋式工・鉱業,運輸・通信事業の直営など広範な事業を行い,殖産興業政策の中心となった。80年以降,洋式工業移植の目的を一定程度達成したことを背景に,財政難と一部事業の経営不振を直接の理由として官営事業の払下げ方針がとられ,その結果85年に廃止。事業の一部は鉄道局・逓信省・農商務省などに引き継がれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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