1. 用語
  2. 日本史 -こ-
  3. 皇道派(こうどうは)

皇道派(こうどうは)

昭和前期の陸軍の派閥の一つ。荒木貞夫・真崎甚三郎・柳川平助・小畑敏四郎らの将官と国家改造を希求する尉官級の隊付将校で形成。陸軍を慣例的に国軍とよんでいたのを荒木が皇軍とよんだことに由来する。1931年(昭和6)12月に荒木が陸相に就任し,翌32年1月真崎が参謀次長になると最盛期となり,次官・軍務局長・人事局長と陸軍省の枢要ポストを占めた。皇道中心の精神主義者や農本主義的思想の将校が多かったため,近代的国家総力戦の理解に乏しく,国家改造運動は尉官級の将校のクーデタによる天皇親政の政治実現を目ざした。対ソ主敵論を主張。35年に相沢事件,36年に2・26事件を決行し敗れた。しかし近衛内閣では荒木・柳川の皇道派系将官を閣僚に起用,東久邇宮(ひがしくにのみや)内閣でも小畑が国務相に就任している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう