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高知藩(こうちはん)

土佐藩とも。土佐国高知(現,高知市)を城地とする外様大藩。関ケ原の戦後改易された長宗我部盛親(ちょうそかべもりちか)にかわり,1601年(慶長6)山内一豊(かずとよ)が遠江国掛川から土佐国浦戸に入封。03年居城を河中(こうち)(のち高智,高知と改称)に移し,以後16代にわたる。藩領は土佐国7郡のうち20万2600石。2代忠義は朱子学者野中兼山を登用し,藩政を確立させた。長宗我部氏遺臣の不満解消と新田開発を目的とする郷士取立てが近世初期から行われたが,山内氏の家臣(上士)との差別は根深く,幕末の政争にも影をおとした。専売品に紙・漆・茶・樟脳(しょうのう)など。1759年(宝暦9)設立の藩校教授(こうじゅ)館は,海南朱子学(南学)を教育の中核とした。宝暦・天明期には専売制の強化や天災により津野山一揆・池川紙一揆などがおこった。幕末期,15代豊信(とよしげ)(容堂)は,吉田東洋を用いて藩政を主導するとともに幕政に参与。公武合体の立場をとって土佐勤王党を弾圧するなど,藩内の政争も続いたが,1867年(慶応3)大政奉還を将軍徳川慶喜(よしのぶ)に進言するにいたる。詰席は大広間。支藩に中村・高知新田両藩がある。廃藩後は高知県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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