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高台寺蒔絵(こうだいじまきえ)

安土桃山時代に始まった蒔絵の新様式。京都東山に造営された高台寺の霊屋や豊臣秀吉夫妻愛用の調度類に施された蒔絵,またその様式の蒔絵をいう。文様は金粉を蒔きつけただけの蒔放しとよばれる簡素な技法に,絵梨地(えなしじ)や針描(はりがき)などの手法を交えて描かれる。デザイン面では,菊・薄(すすき)などの秋草を主体に,菊桐紋を重ねた図柄が特色。本来,建造物の室内や,大量の調度を飾る目的で考案された技法だが,平明ですっきりとした表現には独特の魅力があり,江戸時代を通じて,この流れをくむ作品が大量に制作された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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