豪族居館(ごうぞくきょかん)
古墳時代の首長(豪族)層が居住し,祭政の拠点とした遺跡。1981年(昭和56)群馬県三ツ寺(みつでら)�汕竦ユ(高崎市)で初めて確認された。弥生時代の環濠集落の中で成長してきた首長層は,古墳時代になって一般集落とは隔絶する居住域を営むようになる。方形・長方形の濠・柵列で囲われた中に大型建物・祭祀建物・祭祀遺構・住居・工房・倉庫などが配され,周辺の集落と隔絶する。近在する有力古墳の被葬者との関連も考慮される。名称を含めてその定義については,隔絶性・防御性・祭祀性・建物構成などの諸要素をめぐって議論があるが,古墳時代の首長層の性格や社会の階層構造理解への研究を大きく推進させる重要な遺跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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