1. 用語
  2. 日本史 -こ-
  3. 興禅護国論(こうぜんごこくろん)

興禅護国論(こうぜんごこくろん)

日本禅宗開創の宣言書で,宗義綱領をのべたもの。日本仏教史・思想史上で画期的なもの。3巻。1198年(建久9)に58歳の栄西が,禅宗は天台宗の最澄の教学に背くものではないとして,経・律・論(とくに天台宗の古徳の論釈)のなかに説かれている禅の要旨をのべる。禅をおこすことは王法護国をもたらすと考え,「仁王護国般若波羅蜜経」の題号を用いて書名とした。第1令法久住門,第2鎮護国家門,第3世人決疑門,第4古徳誠証門,第5宗派血脈門,第6典拠増信門,第7大綱勧参門,第8建立支目門,第9大国説話門,第10回向発願門からなる。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう