工場法(こうじょうほう)
日本最初の労働者保護法。1911年(明治44)公布,16年(大正5)施行。児童雇用の禁止,年少者・女子の労働時間規制と深夜業禁止,工場主の労災補償責任などを定めた。紡績業・製糸業などにみられた年少の女子の長時間労働,とりわけ紡績業における2交替制の採用による深夜労働などの問題に対応することを目的とした。立法過程では原案が紡績業・製糸業の雇主の反対にあい,期限つきで深夜業を認め,適用対象工場の規模を職工15人以上とするなどの規定の緩和がなされて成立。さらに施行が5年後にひきのばされるなど,労働者保護の点でかなりの限界をもっていたが,深刻化しはじめていた社会・労働不安の緩和には役立った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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