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甲州騒動(こうしゅうそうどう)

江戸後期,甲斐国幕領でおきた打ちこわし。郡内(ぐんない)(都留郡)騒動ともいうが,打ちこわしの中心は国中(くになか)(山梨・巨摩・八代各郡)で,甲斐国幕領全域におよんだ。凶作・暴風による米価の高騰で困窮した都留郡の百姓が,1836年(天保7)8月,犬目村兵助(ひょうすけ)と下和田村次左衛門(武七)を頭取に米価引下げなどを要求しておきた。郡内の白野宿から笹子峠をこえた郡内勢は,無宿者らの参加で統制がとれなくなり,山梨郡熊野堂村で引き上げたが,その後一揆は激化して国全体に広がった。打ちこわされた家は熊野堂村の米商人奥右衛門宅など319軒余。一揆後,磔の刑を言い渡された者を含め,117人余が牢死。逃亡した兵助の旅日記が残る。江戸では瓦版が発行された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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