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甲州金(こうしゅうきん)

甲金とも。室町末~江戸時代に都留郡をのぞく甲斐一国内で通用した金貨。金山開発が進んだ武田氏支配下ですでに金貨が発行されたが,江戸初期に松木氏が金座を命じられ鋳造を行った。1695年(元禄8)の元禄金銀の改鋳時に一時通用停止となったが,1707年(宝永4)から品位を下げて鋳造された。元禄以前を古甲金,改鋳後を甲安金とよぶ。11年(正徳元)にはさらに品位を下げたが,21年(享保6)から甲重金,27年から甲定金を鋳造して古甲金並の品位に引き上げた。はじめ一両金もあったが,主体は円形の一分・二朱・一朱金,矩形の朱中金(1朱の半分)などであり,量目の基準はおもに1両を4匁とする田舎目が用いられた。文政期以後幕府金貨が流入するなかで姿を消した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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