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皇室領(こうしつりょう)

皇室の所領。律令制以前には屯田(みた)(御田)などがあり,律令制施行後にも勅旨田などが設定された。院政期に入ると後院(ごいん)領のほか,長講堂領などの御願寺領,八条院領などの女院(にょいん)領,神社領などのかたちでの荘園,院宮分国など,膨大な皇室領が形成された。南北朝の争乱のなかで南朝方の所領は消滅し,北朝方の所領も応仁の乱以降の群雄割拠,荘園制の解体のなかでしだいに失われた。織田信長・豊臣秀吉・徳川家康は禁裏御料として皇室領の回復・進上を行い,江戸時代には約3万石となった。幕末期には徳川慶喜(よしのぶ)が山城国一国を献じたが,明治維新以降は皇室費は国費から支出されるとともに,皇室財産が設定されて皇室経済を支えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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