高山寺(こうざんじ)
京都市右京区にある寺。栂尾(とがのお)山と号す。開創は未詳。鎌倉初期に文覚(もんがく)が神護寺の別院とした。1206年(建永元)後鳥羽上皇の命により明恵上人高弁が華厳宗の道場として再興。栄西から贈られた種子をもとに茶の栽培が行われた地として知られ,ここで産した茶は本茶とよばれ珍重された。30年(寛喜2)太政官符により四至(しいし)が定められ,絵図(重文)が製作された。室町時代には紅葉の名所として知られたが,のち兵火で多くの堂宇を失った。再興当時の建物としては国宝の石水院だけが現存。多数の典籍文書を蔵するほか,「明恵上人像」「鳥獣人物戯画」「華厳宗祖師絵伝」「仏眼仏母像」などの絵画はいずれも国宝。境内は国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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