1. 用語
  2. 日本史 -こ-
  3. 高札(こうさつ)

高札(こうさつ)

江戸時代,幕府や藩が法度類を民衆に周知させるため,横長の板札に墨書して高く掲示したもの。町の辻や橋のたもとなど人通りの多いところに建てられた。室町時代にも徳政・撰銭(えりぜに)などの札がみられた。江戸幕府の法度は早くから,撰銭令やキリシタンの取締令のほか法令の改正などが頻繁に高札で触れ出された。幕府の建てた高札は大名領内にも建てるよう要求され,その基本的なものが1711年(正徳元)に建てられた親子兄弟札・毒薬札・駄賃札・キリシタン札・火付札の5枚の高札で,これらは修正されることなく幕末期にいたった。このほか諸国浦々に建てられた浦高札や,特定の宿場・渡船場・関所にかぎり建てられた高札がある。1868年(明治元)明治新政府もいわゆる五榜(ごぼう)の掲示を建てたが,73年撤去。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう