考古学(こうこがく)
考古学という用語は,明治10年代に英語のArchaeologyの訳語として使われ始めた。その原語はギリシア語のアルケオロギアであり,古代学あるいは古物学というほどの意味。現代の考古学は,過去の人類が残したさまざまな遺構・遺物の研究によって人類の生活を復元し,その歴史を再構成することを目的とする歴史科学の一分野。研究範囲は,先史時代や古代に限らず,中世・近世あるいは近現代までも対象とする。研究の対象となる遺構・遺物は発掘によって得られる。発掘の結果得られた新しい資料や情報にもとづき,多様な人類史を再構成する。発掘は,層序や遺構の先後関係,発見される遺構や遺物の共存関係を確かめて行われる。さらに発掘された遺物や遺構は,型式学(論)や民俗学・民族誌などの方法を援用して研究され,最近ではさまざまな分野の自然科学との共同研究も盛んである。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう