康慶(こうけい)
生没年不詳。平安末~鎌倉初期の仏師。運慶の父。東大寺・興福寺の復興造像で活躍。一門からは運慶・快慶をはじめ有力な仏師を多く輩出した。1188年(文治4)から翌年にかけて造立した興福寺南円堂諸像(不空羂索(ふくうけんじゃく)観音・四天王・法相六祖像が現存。しかし四天王像は現中金堂の像が本来の像とする説が有力)は写実的で力強く,鎌倉新様式の胎動がうかがえる。1177年(治承元)の蓮華王院五重塔の供養で法橋(ほっきょう),94年(建久5)の興福寺総供養時には法眼(ほうげん)であった。96年の東大寺大仏殿の脇侍像と四天王像の造立が最後の事績だが,同年4月7日の銘をもつ伎楽面が東大寺と神童寺(京都府木津川市山城町)に現存する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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