興業意見(こうぎょういけん)
殖産興業に関する農商務大書記官前田正名(まさな)企画の膨大な調査・意見書。1884年(明治17)編纂。綱領・緒言・現況・原因・参考・精神・国力・地方・方針の9部編成。松方財政のもとでの各地の産業の危機的状況とその原因を検討し,さらに制定すべき諸法規をあげて救治策を示した。前田は農商務省主導で設置する興業銀行が重点部門に融資する構想をもっていたが,松方の財政政策とあいいれず,経済問題の調査資料的な編纂となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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