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甲乙人(こうおつにん)

中世の一般民衆を示す身分呼称の一つ。凡下(ぼんげ)と同じ。もとは甲の人,乙の人といった特定されない第三者を示した。鎌倉幕府法では所領・所職をもたない雑人(ぞうにん)をさす。幕府は御家人所領が甲乙人に移動することを強く警戒し,所領・所職の保有や御家人化を規制した。侍身分である侍品(さぶらいほん)と区別されて,きびしい身分規制をうけた。御家人にとっては凡下と同様,一種の蔑称・悪口であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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