講(こう)

本来は経典を講説する僧衆の集会のこと。のちに信仰行事とそれを担う集団,さらに共通の利益のための世俗的な行事とその社会集団をいう。9世紀に入ると法華経の読誦が流行して法華八講が広まり,一般に法会(ほうえ)に講の名称をつけるようになった。やがて法会を担う崇敬者の集団も講名でよばれ,さまざまな信仰集団にも用いられた。山の神講・海神講・氏神講・鎮守講・宮座講・観音講・地蔵講・念仏講・富士講・出羽三山講などがある。世俗的な集団も講でよばれるようになり,頼母子(たのもし)講・無尽(むじん)講などがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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