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郡評論争(ぐんぴょうろんそう)

律令制下の郡について,大宝令制以前にその名称が「郡」と「評」のいずれであったかをめぐる第2次大戦後の史学史上の論争。改新の詔の信憑性を検証する立場から,大宝令以前の金石文などの記述が「評」であることを根拠に,改新の詔の「郡」条項は大宝令文により修飾されたとする説がだされた。これに対し,「日本書紀」孝徳天皇以後の「郡」字をすべて大宝令文による修飾と認めると,同時期の他の記事にも修飾の可能性を考えねばならないことから,きびしい反論があった。その後,藤原宮跡の発掘調査で出土した木簡の用字から,浄御原(きよみはら)令制での「評」が大宝令制で「郡」となったことが明らかになり,一応の解決をみた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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