軍人勅諭(ぐんじんちょくゆ)
1882年(明治15)1月4日に明治天皇が下した勅諭。天皇制下の軍隊の性格を明示したもの。1880年,参議兼参謀本部長の山県有朋(やまがたありとも)が中心となって起案,西周(あまね)が起草し,井上毅(こわし)・福地源一郎らも加筆した。忠節・礼儀・武勇・信義・質素など軍人の徳目と,兵馬の大権を天皇が直接掌握することを示した。自由民権運動の高揚を背景に,軍人の政治不関与をも説く。「朕は汝等を股肱(ここう)と頼み,汝等は朕を頭首と仰」げとのべ,憲法・議会の整備以前に天皇と軍人の直属関係を確立した点に歴史的意義がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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