1. 用語
  2. 日本史 -く-
  3. 口宣(くぜん)

口宣(くぜん)

朝廷などで,一般に上級者から下級者に口頭で伝えられる命令。個人が発した命令が多いが,民部省口宣や弁官口宣など,諸司が発した例もあり,文書として書き記された可能性もある。「西宮記」などでは上卿(しょうけい)の宣,弁官の伝宣をうけた史の仰せを諸司の官人が奉じて書き記した宣旨を口宣と称している。狭義には天皇の勅命をうけた蔵人(くろうど)が,これを上卿に伝達する際に手控えとして書き記したものをいう。本来蔵人から上卿への勅命伝達は仰詞(おおせことば)といって口頭でなされたが,のちに本来手控えの口宣を上卿の求めにより交付するようになり,口宣案と称した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう