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楠葉西忍(くすばさいにん)

生没 1395~1486.2.14 「くすは」とも。室町中期の商人。父は天竺人ヒジリ,母は河内楠葉の女。幼名ムスル,俗名天次。はじめ父とともに京都に住むが,将軍足利義持の意に背いたため一色氏に預けられる。父の死後ゆるされ,家督を弟民部卿入道に譲ったのち,大和国平群(へぐり)郡立野(たつの)(現,奈良県三郷町)に居住し,大乗院経覚(きょうがく)により得度。立野氏の一族戌亥(いぬい)氏の女を妻とし,立野衆として大乗院と結び,坊官を勤める。1432年(永享4)と53年(享徳2)に遣明船に乗船。53年時には多武峰(とうのみね)・長谷寺共同船の外官を勤め,北京まで同行して貿易を行った。その渡航体験を大乗院尋尊(じんそん)が「唐船日記」に残す。晩年は大和の古市(ふるいち)に住み,ここで死去。その子元次も大乗院坊官として金銭出納にあたった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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