城(ぐすく)
「ぐしく」とも。奄美群島・沖縄諸島にある城砦(じょうさい)をいう。12~13世紀頃,各地に按司(あじ)と称する首長層が台頭して小高い丘を城砦とした。当初は野面積(のづらづみ)の石垣をめぐらし,掘立柱の建物を構えた。14世紀には有力首長の勢力拡大にともなって大規模化し,切石積城壁,アーチ門,礎石と基壇をもった瓦葺建物が出現する。城壁は台形の突出部を交互に設け,城門は湾入部につけるなど防御上の工夫が施される。構造の一部に朝鮮半島の城郭と似たところがある。城内に拝所(うがんじゅ)があることが多いが,城が機能していた当時のものと,機能停止後にグスク信仰のために設置されたものがある。城内外にグスク土器や中国陶磁器などが多数みられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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