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九十九里浜漁業(くじゅうくりはまぎょぎょう)

肥後国天草と並ぶ近世の一大鰯(いわし)地引網漁,鰯肥生産盛地。戦国期の弘治年間に紀州漁民が伝えて以来隆盛した。はじめ上方漁民の旅網(たびあみ)によって発展し,元禄・正徳期には地網が台頭,享保期以降に大地引網が出現した。安永期には網数200,文政期には網主300家余にのぼった。春職・秋職2季操業の鰯漁は,網付鰯肥加工商人との取引や江戸・浦賀の干鰯(ほしか)問屋の前貸支配が絡んで操業された。明治20年代に入ると,改良揚繰(あぐり)網漁がとってかわる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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