公卿(くぎょう)
律令制以前には「マエツキミ」の漢語的表現として,広い範囲の上級官人層をさす語であった。奈良時代にもこのような用例が多いが,平安時代に入ると,中国古代の三公九卿の制の影響をうけ,太政大臣・摂政・関白・左大臣・右大臣・内大臣を公,大納言・中納言・参議・三位以上の非参議官人を卿といい,あわせて公卿と称した。大臣以上と区別して,大納言以下のみを公卿と称する場合もある。参議は四位の者であっても公卿の列に入り,また三位以上を帯する者は議政官でなくとも公卿とされた。非参議公卿以外の,現に太政大臣以下参議以上の官職についている者を現任(げんにん)公卿とよんだ。上達部(かんだちめ)・月卿(げっけい)などの異称もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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