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盟神探湯(くかたち)

探湯・誓湯とも。古代における神判法。語源にはいくつかの説があるが未詳。争いごとがあったとき,神に誓ったのち熱湯のなかに手を入れさせ,ただれるか否かで正邪を判断した。後代の湯起請(ゆぎしょう)につながると解されている。「日本書紀」応神9年条に,武内宿禰の弟が兄を讒言(ざんげん)したとき,どちらが正しいか決めかねた天皇が川のほとりで探湯を行い,武内宿禰が勝ったという記事がある。また允恭紀4年条に,姓氏が乱れているのでそれをただすため沐浴斎戒して探湯せよという指示がだされ,味橿丘(うまかしのおか)で探湯瓮(くかべ)を据え行ったとみえる。虚実により手がただれるか否かが歴然としたという。盟神探湯に類する神判法は,インドをはじめとする各地の古代社会にみられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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