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公営田(くえいでん)

9世紀に実施された国家直営田の一種。813年(弘仁4)に石見国,823年に大宰府管内,879年(元慶3)に上総国で行われたものが知られる。大宰府管内のものは大宰大弐小野岑守(みねもり)の建策で,管内の良田1万2095町を割き,徭丁(ようてい)6万257人を投入してその耕営にあたらせ,穫稲505万4120束から佃功・租料・調庸料・食料・修理溝池官舎料を差し引いた108万421束を納官し,財源の増加を図ったもの。正長(しょうちょう)には民間から有能な者が選ばれ,1町以上の田の管理を任された。徭丁の調庸は免除されるが,その分を公営田からの収穫で補っている点に,人頭税から土地税へという律令国家の基本体制の変化をみいだせる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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