明銭(みんせん)
明代に官鋳された中国の貨幣。いずれも銅銭だが,16世紀以降は鉛や錫(すず)の含有がふえる。明朝から朝貢国への頒賜(はんし)物として,また貿易によって日本にも大量に流入し,国内通貨として流通した。大部分は永楽通宝で,ついで洪武通宝・宣徳通宝が多少みられ,その他はほとんどない。はじめは精銭(せいせん)として通用したが,15世紀末以降,明での価値下落の影響をうけて悪銭化する。永楽通宝だけは精銭に準ずる地位を確保し,とくに東国では超精銭となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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