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弥勒菩薩(みろくぼさつ)

サンスクリットのマイトレーヤの音訳。現在,兜率天(とそつてん)の内院にあって,釈迦入滅後56億7000万年後に竜華樹(りゅうげじゅ)の下で悟りを開き,3度の説法(竜華三会(さんえ))で釈迦の済度にもれた衆生(しゅじょう)を救済する菩薩。次の生で仏陀になるという意味から補処(ふしょ)の菩薩,弥勒仏といわれる。密教では胎蔵界曼荼羅(まんだら)に中台九尊の第1として大日如来の東北方に位置し,金剛界曼荼羅では賢劫十六尊の第1とされる。日本では阿弥陀如来と並び浄土信仰の基幹部分をなし,造像例に広隆寺や中宮寺の半跏思惟(はんかしい)像,法隆寺五重塔の彫塑弥勒浄土,笠置寺や室生口大野の磨崖仏,称名寺金堂壁画などがある。下生(げしょう)信仰にもとづき経典の埋納も盛んに行われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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