明法道(みょうぼうどう)
古代の大学寮の四道の一つで,法律について教授した学科。明法博士2人の教授陣と,その下で学ぶ明法得業生(とくごうしょう)2人,明法生20人からなり,令制の明法試に対応した。明法試は律から7問,令から3問出題され,全問正解の甲第と8~9問正解の乙第が及第とされ,それぞれ大初位(だいそい)上,大初位下に叙されて出仕を認められた。明法得業生が正規の受験資格者として位置づけられたことは重要である。及第者は,明法博士のほか,刑部(ぎょうぶ)省や検非違使(けびいし)などの法律の知識を必要とする官司で活躍した。また813年(弘仁4)以降は,6~7問正解の者の国博士への任用が認められるようになった。明法試を受験できなかった者についても,年挙(ねんきょ)などによる任官の道が開かれていた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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