名田(みょうでん)
荘園や国衙(こくが)領で年貢・公事(くじ)徴収単位としての名に編成された田地。国衙領の名が史料にでるのは1053年(天喜元)の大和国大田犬丸名結解(けちげ)が最初。荘園の一般的な名田の出現は早くても12世紀以降である。荘園の名田の規模は数段から2~3町程度がふつうだが,辺境地域ではさらに大規模な場合もあった。名主以外に複数の百姓の作手(さくて)田(所有田)が散在錯圃(さくほ)的に編成されたが,中間地域の山間荘園などでは,しばしば丘陵の小谷ごとに比較的まとまって名田が設定されていることもあり,名共同体の存在を想定する見解もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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