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明経道(みょうぎょうどう)

大学寮の四道の一つで,経学(けいがく)を教授した学科。大学博士1人,助教2人,直講(ちょっこう)2人の教授陣と,その下で学ぶ明経得業生(とくごうしょう)4人,明経生400人からなり,令制の明経の試験に対応した。のち問者生(もんじゃしょう)10人が加わる。明経試は,「礼記(らいき)」「春秋左氏伝(さしでん)」(以上大経),「毛詩」「周礼」「儀礼」(中経),「周易」「尚書」(小経。798年に「春秋公羊(くよう)伝」「春秋穀梁(こくりょう)伝」が加わる)から選択した大・小各1経または中経2経と必修の「孝経」「論語」から出題され,上上・上中・上下・中上第をそれぞれ正八位下・従八位上・大初位(だいそい)下・少初位上(上下・中上第の叙階は802年に新設。それ以前は式部留省)に叙して出仕を認めた。平安時代に成立した明経道でもこの点は同じだが,明経得業生が正規の受験資格者として位置づけられたことは重要。明経試合格者は明経道教官として,問者生試合格者は一般官人としてそれぞれ活躍した。以上の2試を受験できなかった者についても,年挙(ねんきょ)などによる任官の道が開かれていた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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