都新聞(みやこしんぶん)
前身は1884年(明治17)創刊の夕刊紙「今日(こんにち)新聞」で,88年11月16日「みやこ新聞」に改題,翌年2月1日「都新聞」となった。江戸趣味と黒岩涙香(るいこう)の探偵小説で売りだしたが,92年7月楠本正隆が社を買収後,主筆黒岩ら十数人が退社。以後は大谷誠男・遅塚麗水(ちづかれいすい)・伊原青々園(せいせいえん)らの記者が活躍,花柳界記事・劇評・書評・投書欄の充実,中里介山「大菩薩峠」などの連載小説で東京下町の読者を獲得した。1919年(大正8)福田英助に経営が移り株式会社化,低迷していた部数を伸ばした。42年(昭和17)10月1日,新聞統合により「国民新聞」と合併し「東京新聞」となった。最盛期の発行部数約15万部。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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