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任那(みまな)

古代の朝鮮半島南部の国名。本来は金官加羅(きんかんから)(金官国)をさすが,のち加羅(加耶(かや))と同義となる。任那の名称は朝鮮の史料ではわずか3例で,好太王碑文に任那加羅,「三国史記」列伝に強首がもと任那加良人,真鏡大師塔碑銘に大師の祖は任那の王族とあるのみで,いずれも金官加羅のことと思われる。他方,日本の文献には多くの用例がある。「日本書紀」崇神65年条に,蘇那曷叱知(そなかしち)を派遣した任那は新羅(しらぎ)の南西とみえ金官国であるが,以後日本が加羅諸国と交流を深めるにつれ,加羅諸国全体の呼称として定着した。倭王武の上表文の任那・加羅も同義反復とされている。欽明2年条に任那日本府の語があり,官家(かんけ)とも称されたため,この地を日本の植民地とする説もあるが,その事実はない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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