美濃国で産する和紙の総称。美濃は古代から和紙生産地として律令政府に位置づけられ,「延喜式」は毎年図書長上1人を美濃に派遣して,色紙を作らせたと記している。中世の京都では典具帖(てんぐじょう)とよばれる薄い美濃紙を用いた。近世には通常の美濃紙より厚く大型の大直(おおなおし)紙が,美濃紙を代表するものとして評価された。また典具帖や合羽(かっぱ)に用いる森下紙なども知られる。武儀川・板取川流域などで広く生産された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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