港町(みなとまち)
主として港湾機能によって存立する都市。古代には各国におかれた国津や,大輪田泊(おおわだのとまり)などの津・泊があげられる。中世には地方荘園から中央への年貢・貢納物輸送のために港湾が設定され,尾道・敦賀・草戸千軒・兵庫などの中世港町が発達した。また東アジア世界との関係で博多が,北方世界との結びつきにより津軽半島の十三湊(とさみなと)が発展した。戦国期の堺・長崎・酒田では町衆(ちょうしゅ)による自治が展開した。近世になると,三都に結びつく各藩の城下町の外港都市として長岡藩の新潟,弘前藩の青森など全国的に形成された。近代には幕末の開港場を始点として横浜をはじめとする国際貿易都市が発展した。さらに社会の産業化にともない沿岸工業都市,あるいは軍港都市も各地に出現した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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