三井家(みついけ)
江戸時代以来の豪商。三井高利(たかとし)を創業者とし,江戸時代は越後屋呉服店と両替店を営業の二つの柱とした。高利の祖父高安は武士だったが,その長男高俊が伊勢国松坂で質や酒・味噌の商売を始めた。高利は高俊の四男。長兄俊次の江戸呉服店で仕事を覚え,1673年(延宝元)に江戸本町1丁目に越後屋呉服店を開店。長男高平(たかひら)・次男高富(たかとみ)・三男高治らが共同で店をとりしきり,高利没後は各店を兄弟が共同で所有,惣領家は高平以後,代々八郎右衛門を通称とした。1710年(宝永7)に大元方(おおもとかた)を設立,店と同族の関係を断ち切り,同族の生活費を賄料(まかないりょう)として配分している。22年(享保7)の「宗竺(そうちく)遺書」で,高利の子供の男系6家と女系3家の9家を確定した。維新後は金融業を営業の中心とし,のちに大財閥を形成。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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