味噌(みそ)
大豆を原料とする発酵食品で,江戸時代になって醤油が普及する以前は,調味料のなかで最も重要であった。元来は醤(ひしお)の一種で,室町時代以降にそのうちの固形分が味噌に,液汁分が醤油へと分化していった。かつては自家製造が盛んで,味噌玉として家の梁上に長期間保存し,飢饉に対する備えとしても重要だった。その家独特の味わいがあったところから,自慢をすることを「手前味噌」という。また火事のときには蔵の目張りに味噌を使うことも行われた。焼いたときの香ばしい香りも好まれ,焼き味噌だけで副食とすることもある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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