見世物(みせもの)
料金をとって,芸能や珍奇な細工物などをみせる興行。軽業(かるわざ)や手品・曲芸などの芸能をみせるもの,畸人(きじん)や珍獣などをみせるもの,からくりや飴細工などの細工物をみせるものなどに大別できる。絵解きや説経など,仏説の布教の一環として寺社の境内などで行われたのが始まりと考えられるが,しだいに娯楽的な性格を強めた。江戸時代には,江戸では両国や浅草,大坂では道頓堀などで盛んに催された。芸能のなかでも,卑俗なものとして軽視されてきたが,歌舞伎の外連(けれん)などにも,軽業の影響がみられると指摘されている。また寄席芸の色物である皿回しや紙切りなどにも影響を与えている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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